殺処分をゼロにするには

沖縄県で年間どのくらいの犬が殺処分されているのか知っていますか?

犬の殺処分は『ドリームボックス』と呼ばれる部屋の中で、炭酸ガスによる窒息死が行われます。
悲しいことに、安楽死などとは程遠くもがき苦しみながらその生涯を閉じます。

沖縄県の現状

沖縄県動物愛護センター(保健所)の報告によると、2020年の犬の殺処分数は37頭でした。以下が過去5年間の殺処分数です。

2016年→413
2017年→153
2018年→141
2019年→80
2020年→37
引用:沖縄県動物愛護管理センター 令和2年度事業概要

10年前の2012年は2074頭でした。減少傾向ではありますが、『ゼロ』ではありません。未だに人間の都合で処分されてしまう命があるのです。

収容される犬はどこからきているのか

では、収容されてしまう犬達はどこにいてどのような経緯で保健所に入ってしまうのでしょうか?

一番多い理由としては、「所有者不明の引き取り」です。つまり、町を放浪しているところを保護されたり、遺棄された子達です。
飼い犬の脱走や逸走から家に帰れなくなり、保健所に収容されてしまいます。

他には、意図せず繁殖してしまい養いきれなくなり子犬たちを棄する人や、繁殖引退犬を「役目終了」と言わんばかりにブリーダーが遺棄することも現実に起こっています。
野犬の捕獲もここに含まれます。

なぜ減ってきているのか

過去のデータから見ても殺処分数は減ってきています。10年前は2000頭を超えていましたが2020年には37頭まで減少しています。それは、保護団体による必死の引き出しによるものだったり、”保護犬”の認知が高まることで、「保護犬を迎えるという選択」をする人が増えたことに要因があります。

また、その他にも不妊去勢の重要性が広く認知されてきたことも大きな要因にあります。

画像の下の蛇口にある「保護施設等で飼育」と「家庭へ譲渡」の二つの受け皿が増えたことにより殺処分が少しずつ減ってきているのです。

蛇口閉め

ただ、いくら「保護施設」と「家庭への譲渡」という受け皿を増やしても、上の蛇口を閉めなければ溢れ続けます。

殺処分に繋がってしまう大元の「ペット産業」「飼い主」「野外で繁殖」の3つの問題を解決しようとする活動を、いわゆる「蛇口閉め」と呼びます。
それぞれ解決策としては次のようなことが挙げられます。

「ペット産業」の蛇口閉めには、ペットショップから買わないという選択。またその啓蒙活動。法整備など。
「飼い主」の蛇口閉めには、飼い主の意識改革の推進、安易な譲渡をしないなど。
「野外で繁殖」の蛇口閉めには、不妊去勢や不要な餌やりの廃止など。

行政としても「一生うちの子プロジェクト」-捨て犬捨て猫防止と、犬猫の適正飼養の普及啓発の行なっています。
それでもまだ殺処分があるのが現状です。

殺処分をゼロにするためには、蛇口閉めが必要不可欠なのです。

私たちに出来ること


既に犬を飼っている人は、「絶対に逃さない」こと。犬の健康状態や年齢にもよりますが、出来るだけ「不妊去勢手術をする」こと。周りの人に保護犬の存在を伝える。ペットショップから買わないなど、私たちに今できることもたくさんあります。

受け皿を増やしつつ、上の蛇口を閉めることで殺処分のない世の中が1日でも早く来ることを願います。

犬を飼いたいと思ったら、ペットショップではなく、まず保護犬に目を向けてみませんか?
保護犬を1匹引き取るということは、愛護センターや保護団体に1つ空きが出ます。その空きスペースに殺処分予定だった子が入り、殺処分を回避することができます。

「保護犬を1匹迎えるということは、2匹の命を救う」ことになります。

1人でも多くの人が命を救う選択をすることを願います。

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